専任技術者になるための要件をくわしく解説(第2回)
2 どんな人が、専任技術者になれるのか?
一定の資格や経験を持つ人が、専任技術者になることができます。
一定の資格や経験は、許可の種類(一般と特定)や業種ごとに定められています。
さらに、各営業所に専任として、勤務していることが必要です。
2-1 専任技術者となるための要件の構図
専任技術者になるには、次の要件3つをすべてクリアしなければなりません。
・一般建設業と特定建設業かの種類に応じた要件が必要
・業種によって、異なる資格が必要
・要件を満たすことを証明する確認資料が必要
2-2 許可の種類に応じた要件
・一般建設業許可の要件
一般建設業許可とは、建設工事を下請けに出さない場合や、下請に出した場合でも1件の工事代金が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)未満までの場合の許可のことをいいます。
次の3つのうち、いずれかを満たしていれば、一般建設業許可の要件はクリアとなります。
➀ 資格
許可を受けようとする業種に応じて定められている国家資格などがある人
② 実務経験
許可を受けようとする業種で、10年以上の実務経験がある人
➂ 学歴+実務経験
許可を受けようとする業種に応じて定められている学歴と実務経験がある人(大学3年・高校5年)
実務経験とは
許可を受けようとする業種に関して、次のような経験をいいます。
・建設工事の施工を指揮、監督した経験
・建設工事の施工に実際に関わった経験
・土工、見習いに従事した経験
・建設工事の発注にあたって設計技術者として設計に従事した経験
・建設工事の発注にあたって現場監督技術者として監督に従事した経験
※単なる工事現場の雑務や事務の経験は実務経験とはみなされません。
・特定建設業許可の要件
特定建設業許可では要件が厳しくなり、より高度な資格や経験が必要になります。
次のうちのいずれかを満たすことができれば、特定建設業許可の要件はクリアとなります。
➀ 資格
許可を受けようとする業種に応じて定められている国家資格などがある人
② 一般建設業許可の要件クリア+指導監督的実務経験
一般建設業許可の要件(➀~➂のいずれか)をクリアして、さらに、許可を受けようとする業種(指定建設業を除く)で、元請として4,500万円以上の工事を2年以上指導監督した経験がある人
指導監督的実務経験とは
建設工事の設計、施工の全般にわたり、現場主任や現場監督などのような立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
指定建設業とは
土木、建築、管、鋼構造物、舗装、電気、造園の7業種のことをいいます。
指定建設業では、1級の国家資格がなければ、専任技術者になることはできません。
必要になる資格・学科については専任技術者の資格要件 専任技術者の関連学科をご覧ください。
2-3 営業所に専任で勤務
専任技術者は、営業所ごとにその名前通り、専任でなければなりません。
「専任」とは、営業所に常勤で勤務していることをいいます。
従って、次のような人は専任であるとみなされません。
・現場と営業所が著しく遠距離にあり、普通に考えて通勤が不可能
・パートやアルバイト、契約社員など
・他の会社で常勤の役員や従業員になっている
・他の会社の専任技術者や主任技術者、監理技術者になっている
・他の会社の建築士や宅建取引士になっている
・他に個人事業主となって、事業を行っている
※同一企業で同一の営業所内である場合は、専任技術者を兼ねることができます。
さらに、経営業務の管理責任者や営業所長も兼ねることができます。
第3回へ続きます。(クリックできます。)