専任技術者になるための要件をくわしく解説(第3回)
2-4 要件を満たすことを証明するための確認資料
資格がある場合の証明
必要とされる資格などがある場合は、資格証明書により確認されます。
学歴がある場合の証明
許可を受けようとする業種で、定められている学歴がある場合には、卒業証明書により確認されます。
実務経験の証明
実務経験は、次の3つを満たすことが必要になります。
・ 許可を受けようとする業種が営まれていたか?
・ 上記の業者に所属していたか?
・ 1・2の重複する期間
許可を受けようとする業種が営まれていたかの証明
この場合は、その業種の建設業許可を持っていたかどうかで決まります。
・ 建設業許可を持っていた場合
その業者の建設業許可通知書や決算変更届で確認されます。
・ 建設業許可を持っていなかった場合
その業者で対象とする期間に行った工事の契約書や請求書などで確認を受けることになります。
上記の業者に所属していたかの証明
次のいずれかの書類で確認されます。
・(年金の)被保険者記録照会回答票
・雇用保険被保険者証(申請時点において継続して雇用されている場合)
・雇用保険被保険者離職票(申請時点において離職している場合)
・証明者が個人事業主の場合は、確定申告書の第一表+専従者欄または給与支払者欄に内訳、氏名の記載があるか(税務署の受付印があるもの)
・証明者の印鑑証明(3か月以内のもの)
指導監督的実務経験の証明
次の2つを満たすことが必要になります。
・指導監督的実務経験証明書に記載した工事すべてについての契約書や請求書など
・指導監督的実務経験証明書に記載した工事の期間にその業者に所属していたか?
証明するための資料は実務経験の場合のものと同じになります。
営業所で専任であることの証明
基本的には、経営業務の管理責任者の常勤性を証明するための資料と同じになります。
会社の役員などの場合 健康保険者証と標準報酬決定通知書で確認されます。
個人事業主の場合 国民健康保険者証で確認されます。
あとは、状況に応じて、住民税特別徴収税額通知書、住民税課税証明書などが必要になることもあります。
2-5 実務経験の要件緩和措置
実務経験で専任技術者になるためには、どの業種についても10年以上の実務経験が必要ですが、次の事例に限り要件が緩和されます。
とび・土工 8年以上 左記の組み合わせで通算12年以上に
しゅんせつ 8年以上 + 土木一式 なれば、10年以上の実務経験として
水道施設 8年以上 4年以上 認められます。
大工 8年以上
屋根 8年以上
内装仕上 8年以上 + 建築一式 同 上
ガラス 8年以上 4年以上
防水 8年以上
熱絶縁 8年以上
大工 8年以上 + 内装仕上 ➀ 同 上
内装仕上 8年以上 大工 ➁大工、内装仕上ともに8年以上で
- 4年以上 あれば、両方の専任技術者になる
- ことができます。
解体 8年以上 + 土木一式 左記の組み合わせで通算12年以上に
- 建築一式 なれば、10年以上の実務経験として
- とび・土工 認められます。
- 4年以上
専任技術者になるための要件をくわしく解説 まとめ
「専任技術者」とは、建設業に関して専門的な知識や経験を持つ人のことをいいます。
専任技術者になれるのは、資格や実務経験があるなどの、取得する建設業に関して一定以上の専門的な知識や経験が要件として定められています。
その定められている要件をクリアすることができれば、専任技術者になることができます。
専任技術者になるには、次の要件3つをすべてクリアしなければなりません。
・一般建設業と特定建設業かの種類に応じた要件が必要
・業種によって、異なる資格が必要
・要件を満たすことを証明する確認資料が必要
この3つすべてにあてはまる人が自分も含め、今の現状の中にいるのかを検討することになります。
専任技術者の要件をクリアするためには、たくさんの選択肢を検討しなければなりません。
選択肢の中の一つを見落としていたために、許可の取得を諦めるなどといったことのないよう、慎重に確認しながら、検討を進めてください。