建設業許可に関連する法律 建設業法 第3章-4
第19条の4 不当な使用資材等の購入強制の禁止
注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用した建設工事に使用する資材もしくは機械器具またはこれらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない。
第19条の4 解釈
注文者が請負契約の締結後に、その取引上の地位を不当に利用して、請負人に使用する資材・機械器具または購入先を指定することにより、その購入を強制して、請負人の利益を害することを禁止するものです。
これは、表立って強制されなくても、逆に請負人の方が、見えない圧力を感じることもありますね。
例えば、強制はされませんが、某有名自動車会社の工場で工事をする際、他社のメーカーの車に乗って入場すると、無言の圧力を少し感じたりすることがあります。
第19条の5 発注者に対する勧告
建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律第2条第1項に規定する事業者に該当するものを除く。)が前2条の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣または都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる
第19条の5 解釈
不当に低い請負代金の禁止、不当な使用資材などの購入強制の禁止の規定に違反した発注者には、国土交通大臣または都道府県知事が「勧告しますよ」という旨を定めています。
発注者が、このような違反をした場合には、手抜きの工事や労働災害を招く原因にもなりかねません。
そこで、それを防止するために、第19条の5で、このような発注者に対して、必要な勧告を行うことができるとしています。
第20条 建設工事の見積り等
建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際して、工事内容に応じ、工事の種別ごとに材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして、建設工事の見積りを行うよう努めなければならない。
2 建設業者は、建設工事の注文者から請求があったときは、請負契約が成立するまでの間に、建設工事の見積書を交付しなければならない。
3 建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあっては入札を行う以前に、第19条第1項第1号および第3号から第14号までに掲げる事項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契約の締結または入札までに、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。
第20条 解釈
建設業者による建設工事の見積りなどについて規定しています。
適正な建設工事の請負契約が締結されるには、工事費用、工期などの重要な事項が、契約締結の交渉過程において明確にされたうえで、注文者の請求があれば契約締結前に見積書の形をとって交付される必要があります。
また、注文者も、建設業者に対し、重要な事項をあらかじめ示すとともに、見積りに必要な一定期間を設けることがもとめられます。(建設業法令遵守ガイドライン)
請負契約を締結する際に、このような重要な事項を明らかにしておけば、両当事者は正確な情報を共有でき、双方に有益な契約の締結が可能になります。
建設業許可に関連する法律 建設業法 第3章-4 まとめ
第19条の4
請負契約を締結した後、注文者がその取引上の地位を不当に利用して、請負人に使用する資材・機械器具または購入先を指定して、購入を強制したり、請負人の利益を害することを禁止しています。
第19条の5
不当に低い請負代金の禁止、不当な使用資材などの購入強制の禁止の規定に違反した発注者には、国土交通大臣または都道府県知事は、勧告できることが定められています。
第20条
建設工事の見積りなどの規定です。
注文者が業者に対して、重要な事項を示す必要性や、見積りに必要な期間を設けることを求めています。
契約を締結する場面でこれらが明らかにされていれば、正確な情報を共有したうえで契約を締結することになり、適正な契約内容が実現され、結果、注文者・請負人双方の利益につながります。