建設業許可を受けるのに必要な財産的基礎とは?
建設工事を遂行するためには、たくさんの資金が必要になるので、建設業許可を受ける段階で財産的な基礎があるか確認が行われます。
財産要件は、知事許可と大臣許可、建設29業種においては違いはありません。
ですが、一般建設業許可と特定建設業許可とでは財産要件は違ってきます。
特に特定建設業許可は、下請業者や発注者へ与える影響が大きいため財産要件は、一般建設業許可よりも厳しい条件になっています。
一般建設業許可の場合
一般建設業許可の場合は、以下の条件のいずれかに該当すれば良いことになっています。
①直前の決算において、自己資本の額が500万円以上であること。
「自己資本の額が500万円以上」とは
法人の場合には、貸借対照表における純資産合計の額が500万円以上であることです。
個人の場合には、期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から、事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金を加えた額が500万円以上であることです。
②金融機関の預金残高証明書で、500万円以上の資金調達能力を証明できること。
この条件は、新規の許可を受ける時に一度認められれば良く、更新の際には証明不要です。
③許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること。
(5年目の更新申請者は、この基準に適合するものとみなします。)
特定建設業許可の場合
特定建設業許可の場合は以下の条件すべてに該当しなければなりません。
①資本金の額が2,000万円以上であること
「資本金の額が2,000万円以上」とは
許可を申請する直前に提出した確定申告書の内容で判断します。
「資本金」、「期首資本金」が2,000万円以上になっていることです。
②自己資本の額が4,000万円以上であること
「自己資本の額が4,000万円以上」とは
許可を申請する直前に提出した確定申告書の内容で判断します。
法人の場合には、貸借対照表における純資産合計の額が4,000万円以上であることです。
個人の場合には、期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から、事業主貸勘定の額を控除した額に、負債の部に計上されている利益留保性の引当金及び準備金を加えた額が4,000万円以上であることです。
③欠損の額が資本金の額の20%を超えないこと
「欠損の額が資本金の額の20%を超えない」とは
許可を申請する直前に提出した確定申告書の内容から欠損を算出します。
法人の場合には繰越利益剰余金がマイナスとなっているときに
{繰越利益剰余金-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金)}÷資本金×100
この値が20%以下であることです。
個人の場合には
事業主損失-(事業主借勘定-事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金)÷期首資本金×100
この値が20%以下であることです。
④流動比率が75%以上であること
「流動比率が75%以上」とは
許可を申請する直前に提出した確定申告書の内容から流動比率を算出します。
流動資産÷流動負債×100で流動比率がでます。
この値が75%以下であることです。
建設業許可を受けるのに必要な財産的基礎とは? まとめ
一般建設業許可の財産要件は
・500万円以上の残高または純資産
特定建設業許可の財産要件は
・資本金の額が2,000万円以上であること
・純資産の合計が4,000万円以上であること
・欠損の額が資本金の額の20%以内であること
・流動比率が75%以上であること
4つすべて満たす必要あり。
一般建設業許可に比べて、特定建設業許可要件はかなり厳しい要件となります。