建設業許可に関連する法律 建設業法 第4章-10

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建設業許可に関連する法律 建設業法 第4章-10


建設業許可に関連する法律 建設業法 第4章-10

 

第27条の23 経営事項審査

公共性のある施設または工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

2 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。

一 経営状況

二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項

3 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目および基準は、中央建設業審査会はの意見を聴いて国土交通大臣が定める。

 

第27条の23 解釈

国などの公共工事の入札に参加しようとする建設業者は、経営に関する客観的事項の審査を受けなければなりません。そして、経営事項審査の審査対象となるのは、公共性のある施設または工作物に関する建設工事で、政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者です。

 

・経営事項審査とは?

経営事項審査とは、建設業者の施工能力、財務の健全性、技術力などを判断するための資料として、その建設業者の完成工事高、財務状況、技術者数などの項目(客観的事項)を総合的に評価するものです。

公共工事を国、地方公共団体から直接請負う(元請)建設業者は、経営事項審査を必ず受ける必要があります。

一般に「経審」と呼ばれており、経審を受けた建設業者は最終的に「総合評定値通知書」を取得することが、目的になります。

そして、その「総合評定値通知書」を提出することが、公共工事の入札に参加するための要件の一つです。

 

・経営事項審査の基準にされる日

審査の基準日は、申請する日の直前の事業年度の終了日(決算日)です。

法人合併や営業譲渡が行われた場合には、当該合併日や営業譲渡日を審査基準日として、経営事項審査を受けることができます。

 

・経営事項審査の有効期間

公共工事について発注者と請負契約を締結できるのは、結果通知書を受け取った後、その経営事項審査の審査基準日から1年7か月までに限られています。

公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者は、決算確定後、速やかに経営事項審査を受ける必要があり、遅れれば遅れるほど、公共工事の契約時に有効な結果通知書のない可能性が高くなり、契約を締結できなくなる場合があります。

 

・経審を受けるための前提条件

建設業許可を受け、決算変更届を提出していることが、経審を受けるための前提条件になります。

 

・経審の構成

経審は大きく分けて「経営状況分析申請」と「経営規模等評価申請」の2種類の申請をすることになります。

 

1 経営状況分析申請

経営状況分析申請では、建設業者が決算終了後に提出した決算書から、その建設業者の経営状況を数値化し、その数値を一定の算式に当てはめて、評点が出されます。

そして、その経営状況の評点が記載されている、「経営状況分析結果通知書」を取得することが、経営状況分析申請の目的になります。

 

2 経営規模等評価申請

経営規模等評価申請では、建設業者の経営規模や技術力、社会性などが数値で評価されます。

この申請をする際に、先の「経営状況分析結果通知書」を合わせて提出することにより、経営状況と経営規模の両方から算出した「総合評定値通知書」を取得することができます。

 

・経審の大まかな流れ

1 決算終了後、決算変更届の届出

2 登録分析機関へ経営状況分析申請し、「経営状況分析結果通知書」を取得する

3 「経営状況分析結果通知書」とともに書類を揃え、経営事項審査申請

4 「総合評定値通知書」を取得する

5 入札参加資格登録申請

入札参加資格登録は2年に1回だったりしますが、経審は毎年継続して受けることが必要です。

 

・次のものが発注した建設工事が経審の審査対象となります。

1 国、地方公共団体

2 法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除きます。)

3 1、2に準ずるものとして国土交通省令で定める次の法人

公益財団法人JKA

国立研究開発法人科学技術振興機構

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

国立研究開発法人理化学研究所

首都高速道路株式会社

消防団員等公務災害補償等共済基金

新関西国際空港株式会社

地方競馬全国協会

中間貯蔵・環境安全事業株式会社

東京地下鉄株式会社

東京湾横断道路の建設に関する特別措置法2条1項に規定する東京湾横断道路建設事業者

独立行政法人環境再生保全機構

独立行政法人勤労者退職金共済機構

独立行政法人中小企業基盤整備機構

独立行政法人農業者年金基金

中日本高速道路株式会社

成田国際空港株式会社

西日本高速道路株式会社

日本私立学校振興・共済事業団

日本たばこ産業株式会社

日本電信電話株式会社等に関する法律1条1項に規定する会社および同条2項に規定する地域会社

農林漁業団体職員共済組合

阪神高速道路株式会社

東日本高速道路株式会社

本州四国連絡高速道路株式会社ならびに、旅客鉄道株式会社および日本貨物鉄道株式会社に関する法律1条3項に規定する会社

 

・次のような建設工事が経審の審査対象となります。

① 審査対象となる建設工事

国や地方公共団体などの発注者であって、工事一件の請負代金の額が500万円、建築一式工事の場合は1,500万円以上のものです。

② 審査対象とならない建設工事

堤防の決壊や道路の埋没などのように物理的・経済的に影響の大きい災害などにより必要を生じた応急の建設工事、および、緊急その他やむを得ない事情により国土交通大臣が指定する建設工事は対象外です。しかし、通常の災害復旧工事は、対象となります。

 

・客観的事項とは

① 経営規模・経営状況

② 技術的能力

③ 労働福祉の状況

④ 建設業の営業継続の状況

⑤ 法令遵守の状況

⑥ 建設業の経理に関する状況

⑦ 研究開発の状況

⑧ 防災活動への貢献の状況

⑨ 建設機械の保有状況

⑩ 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況

⑪ 若年の技術者および技能労働者の育成および確保の状況

これらが評価されます。

 

 

建設業許可に関連する法律 建設業法 第4章-10 まとめ

 

国などの公共工事の入札に参加しようとする建設業者は、経営に関する客観的事項の審査を受けなければなりません。これを経営事項審査といいます。

経営事項審査は、「経営状況」「経営規模」「技術的能力」「その他の客観的事項」が数値で評価されることによって行われます。

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