建設業許可に関連する法律 建設業法 第3章-6
第23条 下請負人の変更請求
注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。
ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。
2 注文者は、前項ただし書きの規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項ただし書きの規定により下請人を選定する者の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるものにより、同項ただし書きの承諾をする旨の通知をすることができる。
この場合において、当該注文者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。
第23条 解釈
本来、請負人はどのような下請負人を使うのも自由ですが、下請負人の施工状況が悪い場合には、注文者は安心して、請負人に任せることができません。
そこで第23条では、注文者が下請負人の施工を見て、「この仕事はヒドイ!」と思った場合、注文者は元請負人に下請負人の交代を求めることができます。
ただ、発注者が書面上で承諾を与えている場合はできませんし、「著しく不適当」と認められるためには、主観的、恣意的判断ではなく、客観的な妥当性が必要になります。
第23条の2 工事監理に関する報告
請負人請負人は、その請け負った建設工事の施工について建築士法第18条第3項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちに、第19条の2第2項の規定により通知された方法により、注文者に対して、その理由を報告しなければならない。
建築士法第18条第3項
3 建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書の通りに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に対して、その旨を指摘し、当該工事を設計図書のとおりに実施するよう求め、当該工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない。
第19条の2第2項の規定により通知された方法
2 注文者は、請負契約の履行に関し工事現場に監督員を置く場合においては、当該監督員の権限に関する事項および当該監督員の行為についての請負人の注文者に対する意見の申出の方法を、書面により請負人に通知しなければならない。とされていますので、この方法に従います。
第23条の2 解釈
建築士は、図面通りに施工されていないことに気づいたときは、直ちに、それを指摘し、図面通りに施工するよう求め、施工者がこれに従わない場合には、注文者にその理由を報告しなければなりません。
注文者に対し報告させることによって、注文者が、建築士と施工者の意見を検討する機会を得ることができたり、偽装などの被害を未然に防いだりすることを目的にしています。
第24条 請負契約とみなす場合
委託その他いかなる名義をもってするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。
第24条 解釈
契約内容に修正を加えることは、契約自由の原則の下では、許されていることとはいえ、これが悪用されるおそれもあります。
実態は請負契約であるのに、規制を逃れるために、委任契約など別の契約として、工事を請け負う場合などです。
これを放置しておくと、建設業法が規制を行っている意味が失われることになるために、第24条の規定が定められています。
建設業許可に関連する法律 建設業法 第3章-6 まとめ
第23条
注文者からの下請負人変更請求権が定められています。
下請負人の施工状況が悪い場合には、注文者にも下請負人の変更を求める請求を認めることは妥当です。
第23条の2
請負人が図面に従わない場合には、注文者に対して、その理由を報告させる義務を負わせています。
これも、当然の規定ですね。
第24条
建設業法の適用対象を明確にして、実態は請負契約であるのに、他の法形式をとるなどして、法の潜脱が行われるのを防止しています。